社会保険の手続きが漏れやすい場面 — 「うっかり」が起きやすい6つのタイミング

社会保険の手続きは、入社と退職のときだけではありません。実は、日常の中のふとした変化のタイミングで手続きが必要になることが多く、「そもそも手続きが必要だと知らなかった」という漏れが起きがちです。
手続きが漏れると、あとから保険料をさかのぼって支払うことになったり、従業員の方が給付を受けられなかったりと、会社と従業員の両方に影響が出ます。この記事では、手続きが漏れやすい場面を6つに整理します。
場面1:パート・アルバイトを雇ったとき
「社会保険は正社員だけ」と思い込んでいると、ここで漏れます。
- 雇用保険 … 週20時間以上働き、31日以上雇う見込みがあれば、パート・アルバイトの方も加入が必要です。
- 健康保険・厚生年金 … 勤務時間がおおむね正社員の4分の3以上であれば加入が必要です。それより短くても、会社の規模など一定の条件を満たすと加入対象になり、加入の範囲は年々広がっています。
「うちのパートさんは大丈夫」と思い込まず、雇うたびに条件を確認することが大切です。
場面2:従業員が退職したとき
退職時は、資格喪失届(加入をやめる届け出)や離職票の作成など、短い期限の手続きが同時に動きます。詳しくは別の記事従業員が退職するとき、会社が確認すべきことにまとめていますので、あわせてご覧ください。
場面3:従業員の家族に変化があったとき
本人からの申し出がないと会社が気づけないため、いちばん漏れやすい場面です。
- 結婚して配偶者を扶養に入れるとき
- 子どもが生まれたとき(扶養に入れる手続き)
- 子どもが就職した・家族の収入が増えたとき(扶養から外す手続き)
特に「扶養から外す」手続きは忘れられがちです。放置すると、あとから医療費の返還を求められるなど、従業員の方に負担がかかることがあります。「家族に変化があったら教えてください」と日頃から従業員に伝えておくことが、いちばんの予防策です。
場面4:給与が大きく変わったとき
昇給や雇用形態の変更などで基本給などの固定的な給与が大きく変わると、その3か月後に、社会保険料を計算し直す届け出(月額変更届)が必要になることがあります。
「毎年の定期改定(算定基礎届)があるから大丈夫」と思っていると、ここが漏れます。昇給のあとは「届け出が必要になるかもしれない」と意識しておきましょう。
場面5:賞与を支払ったとき
賞与にも社会保険料がかかるため、支給から5日以内に賞与支払届の提出が必要です。毎月の給与と違って年に数回しかないため、うっかり忘れやすい手続きです。賞与の支給日をカレンダーに入れる際、「支払届」もセットで入れておくと防げます。
場面6:毎年決まった時期の手続き
イベントがなくても、毎年必ずやってくる手続きがあります。
- 算定基礎届(7月10日まで) … 社会保険料のもとになる金額を年1回見直す届け出
- 労働保険の年度更新(6月1日〜7月10日) … 労災保険・雇用保険の保険料を年1回精算する手続き
どちらも夏前に集中します。毎年のことと分かっていても、日常業務に追われて期限ぎりぎりになりがちです。
漏れを防ぐには
- 年間カレンダーを作る … 算定基礎届・年度更新・賞与の時期をあらかじめ書き込んでおく
- 「変化があったら手続きを疑う」癖をつける … 入社・退職・結婚・出産・昇給・雇用形態の変更は、すべて手続きのサインです
- 従業員に協力してもらう … 家族の変化は申し出がないと分かりません。入社時に「こんなときは教えてください」の一覧を渡しておくのがおすすめです
まとめ
社会保険の手続きは、「知らなかった」「気づかなかった」で漏れるものがほとんどです。裏を返せば、漏れやすい場面をあらかじめ知っておくだけで、大半は防げます。
みなみ社会保険労務士事務所では、こうした手続きをまとめてお任せいただける顧問プランのほか、必要なときだけのスポットでのご依頼も承っています。「これは手続きが必要?」という段階のご相談も歓迎です。初回のご相談は無料・予約制です。お気軽にお問い合わせください。








