従業員が育休を取るとき — 会社がやること【育休編】

前回の記事従業員から妊娠の報告を受けたら — 会社がやること【産休編】では、妊娠の報告から産休までの会社の対応をご説明しました。今回はその続き、育休(育児休業)のときに会社がやることです。
育休は産休と違い、男性従業員も対象です。「男性社員から育休を取りたいと言われた」という場面は、どの会社にも起こり得ます。あわせてご確認ください。
まず知っておきたい基本ルール
- 育休は「原則、断れません」 … 要件を満たす従業員から申し出があれば、会社は原則として拒否できません(育児・介護休業法)。
- 期間は原則、子どもが1歳になるまで … 保育所に入れないなどの事情があれば、最長2歳まで延長できます。
- 2回に分けて取得できます … 夫婦で交代しながら取る、といった柔軟な取り方が可能です。
- 産後パパ育休(出生時育児休業) … 男性は、子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日)、通常の育休とは別に取得できます。こちらも2回に分割できます。
- 制度の説明と意向確認は会社の義務 … 従業員本人やその配偶者の妊娠・出産の申し出があったら、会社は育休制度を説明し、取得の意向を確認しなければなりません。「本人が何も言わないから何もしない」は、法律上NGです。
ステップ1:申し出を受けたら
- 取得予定の期間を確認する … 育休の申し出は原則1か月前まで(産後パパ育休は原則2週間前まで)です。
- 制度を説明する … 給付金や社会保険料の免除など「お金の話」を丁寧に説明すると、従業員は安心して取得できます。
- 代替要員・業務分担を検討する … 復帰予定日から逆算して計画を立てます。
ステップ2:育休が始まったら(会社の手続き)
- 社会保険料の免除の申し出 … 「育児休業等取得者申出書」を年金事務所に提出します。月末時点で育休中の月など、一定の条件を満たす月の保険料が、会社負担分・本人負担分とも免除されます。産休の免除とは別に、改めて申し出が必要です。
- 育児休業給付金の申請(ハローワーク) … 雇用保険から、賃金のおよそ67%(181日目からは50%)が支給されます。会社が賃金台帳などを添えて申請し、その後も2か月ごとに申請を続けます。
- 出生後休業支援給付金 … 2025年4月から始まった上乗せの給付です。夫婦がともに14日以上育休を取るなどの条件を満たすと、最初の28日間について13%が上乗せされ、手取りでおよそ10割相当になります。対象になりそうな場合は、忘れずに申請しましょう。
ステップ3:復職が近づいたら
- 復帰日・働き方の確認 … 時短勤務(3歳未満の子を育てる従業員が希望した場合、原則1日6時間の短時間勤務を認める義務があります)の希望を確認します。
- 時短で給与が下がる場合の手続き … 復職後に給与が下がったときは、社会保険料を下げる届け出(育児休業等終了時改定)と、将来の年金額が下がらないようにする特例の申し出(養育期間の特例)ができます。特に年金の特例は知られていない制度で、申し出をしないと適用されません。従業員のために、会社から案内してあげてください。
よくあるつまずき
- 意向確認をしていない … 制度の説明・意向確認は義務です。説明用の資料をひな型として用意しておくと安心です。
- 給付金の申請が遅れる … 2か月ごとの申請を忘れると、支給が遅れて従業員の生活に影響します。スケジュール管理が重要です。
- 男性の育休を想定していない … 「うちは女性がいないから関係ない」ではありません。男性従業員の申し出にも同じ対応が必要です。
まとめ
- 育休は男女とも対象で、会社は原則断れません。制度の説明と意向確認は会社の義務です
- 社会保険料の免除・育児休業給付金は、いずれも申請しないと受けられません
- 復職後の時短勤務には、保険料と年金の特例があります。会社からの案内が従業員を守ります
産休・育休は、手続きの多さに加えて法改正も続いている分野です。みなみ社会保険労務士事務所では、手続きの代行からスケジュール管理までご相談を承っています。初回のご相談は無料・予約制です。お気軽にお問い合わせください。
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