従業員が退職するとき、会社が確認すべきこと

従業員の方が退職されるときは、「退職届を受け取って終わり」ではありません。会社には、社会保険や雇用保険の手続き、お金の精算、書類のお渡しなど、期限が決められたものを含めていくつもの対応が求められます。
対応が漏れると、退職された方が失業給付(雇用保険からの手当)を受け取れずに困ったり、後日トラブルにつながったりすることもあります。ここでは、退職の連絡を受けてから完了までに会社が確認すべきことを、順を追って整理します。
1. まず社内で確認すること
- 退職届(退職願)を書面で受け取る … 口頭だけで済ませず、退職日を明記した書面を残します。「言った・言わない」を防ぐためです。
- 退職日を確定する … 就業規則の定めや引き継ぎの都合を踏まえて決めます。
- 有給休暇の残り日数を確認する … 退職前に消化を希望されることが多いため、早めに残日数をお伝えします。退職日を超えて繰り越すことはできません。
- 引き継ぎの段取りを決める … 担当業務・取引先・データの引き継ぎ先を確認します。
- 貸与品の返却リストを作る … 健康保険証、社員証、鍵、パソコン、制服などをまとめておきます。
2. 会社が行う公的な手続き(期限に注意)
退職に伴う手続きには、法律で期限が決められているものがあります。
| 手続き | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金の資格喪失届 | 加入をやめる届け出(年金事務所へ) | 退職日の翌日から5日以内 |
| 雇用保険の資格喪失届 | 加入をやめる届け出(ハローワークへ) | 退職日の翌日から10日以内 |
| 離職証明書(離職票のもと) | 失業給付の手続きに必要な書類 | 資格喪失届と一緒に提出 |
| 住民税の異動届 | 給与天引き(特別徴収)をやめる、または残額を一括徴収する届け出 | 退職した月の翌月10日まで |
3. お金の精算
- 退職金 … 制度がある場合は、就業規則や退職金規程に沿って計算・支払います。
- 未払いの残業代がないかの確認 … 精算漏れは後日のトラブルの原因になります。
4. 退職された方へお渡しする書類
- 源泉徴収票 … 転職先での手続きに必要です。
- 離職票 … ハローワークでの手続き後に発行され、失業給付を受けるために使われます。
- 退職証明書 … ご本人から請求があったときは、遅滞なくお渡しします(労働基準法第22条)。
よくあるつまずき
- 離職票を「本人が希望しないから」と作らない … 後日必要になり請求されることがあります。希望の有無を書面で確認しておくと安心です。
- 資格喪失の手続きが遅れる … 退職された方が国民健康保険や次の会社での手続きを進められず、迷惑がかかります。
- 貸与品や健康保険証の回収忘れ … 退職後は連絡が取りにくくなります。最終出社日までに回収します。
まとめ
退職の手続きは、短い期限のものが同時に複数動きます。「誰が・いつまでに・何をするか」をチェックリストにしておくと、漏れを防げます。
みなみ社会保険労務士事務所では、退職に伴う社会保険・雇用保険の手続き代行や、手続きの流れのご相談を承っています。初回のご相談は無料・予約制です。お気軽にお問い合わせください。








